コウノトリの贈り物 ―生物多様性農業と自然共生社会をデザインする―
表紙
鷲谷いづみ編

ISBN978-4-8052-0791-8

四六判/248頁

\1,800+税



概要

環境負荷の少ない農業への転換を地域コミュニティーの維持や再生と結びつけて進めることは、持続可能な地域社会の構築にとって、今最も重要な課題である。コウノトリを野生復帰させ共に暮らすまちづくりを進める豊岡市、初の水田を含むラムサール条約湿地に登録された大崎市・蕪栗沼での生き物たちと共存する農業など、各地の先進的事例を紹介する。

目次

コウノトリの贈り物
生物多様性農業と自然共生社会をデザインする 目次

 まえがき 鷲谷いづみ 

序章 コウノトリの贈り物―二〇五七年の「自然共生社会記念日」に 鷲谷いづみ

 二〇五七年五月二〇日、ある町のミュージアムにて 
 実物に触れる素晴らしさ 
 縄文時代に遡る暮らしを探る 
 自然共生社会記念日 
 自然再生事業がつくり出した緑の油田 
 星が流れる日、コウノトリがやってきた 
 選ばれた未来 
 シナリオという物語に託して 

特別寄稿 コウノトリとともに生きる―豊岡の挑戦 中貝宗治

 はじめに 
 円山川の子どもたち 
 コウノトリをめぐる果てしない物語 
 環境経済戦略 
 放鳥後のコウノトリ 
 おわりに 

第一章 コウノトリが地域の力を取り戻す 佐竹節夫

 一枚の写真から
 生き物へのまなざしからコウノトリ育む農法へ
 放鳥成功は一つの通過点。これからいろんなことが出てくるだろう
 
第二章 水田の農業湿地としての特性を活かす、ふゆみずたんぼ 呉地正行

 「水田」に注目した初めてのラムサール条約湿地・蕪栗沼
 湿地保全と持続可能な水田農業の両立への道
 日本のガン類が抱える問題
 湿地環境の減少と水鳥の集中化
 湿地劣化に拍車をかけた「乾田化」
 湖沼復元一〇〇年計画
 ふゆみずたんぼのネットワークでガンの生息地を拡大
 生き物の賑わいとその力を活かした農業の共存を可能にするふゆみずたんぼ
 アジアの田んぼの価値を、蕪栗沼から世界へ、未来へ

第三章 「ものがたり」を伝えたい!
―産直・交流事業で農業の価値観を共有する 石塚美津夫

 きっかけは首都圏の生協との出逢い
 「ゆうきの里」ささかみ
 体験参加者の増加で地域にまとまり
 交流で農産物の背景にある「ものがたり」を届ける
 地域協働で作る「ものがたり」性のある豆腐
 ふゆみずたんぼとの出逢いで変わった農業観・価値観
 
第四章 北海道版「ふゆみずたんぼ」をつくりたい
―いのちの見える食と文化の回復へ、食堂業の試み 庄司昭夫

 アレフが「ふゆみずたんぼ」に取り組むわけ
 お米に込めた、一〇年越しの熱き思い
 アレフが考える「北海道のふゆみずたんぼ」
 アレフ「ふゆみずたんぼプロジェクト」の方向性、その一
 アレフ「ふゆみずたんぼプロジェクト」の方向性、その二
 「食」を支える豊かな生態系を

第五章 北海道における「いのち育む有機稲作」の可能性 稲葉光國

 はじめに
 有機稲作における主な除草技術
 北海道における有機稲作の可能性
 大豆―イネの輪作体系が、北海道における低コスト有機稲作を可能にする
 おわりに

執筆者へのファンレター〜著者紹介に代えて 菊池玲奈

座談会 コウノトリと豊岡の農業を語る
 まちづくりの基本にコウノトリを据えた第一ラウンド
 農家、行政、JAとの連携をとって進めた第二ラウンド
 実際のコウノトリとシンボルとしてのコウノトリとの一致、「コウノトリを育むお米」の価値の確立が第三ラウンドの課題
 活動を盛り上げていくためのコツ

 あとがき 鷲谷いづみ

 索引

 編者紹介