クスリのことがわかる本

クスリを扱う人のための医薬品応用学
表紙
梅垣敬三編著
山田静雄編著
渡辺泰雄編著

ISBN4-8052-0742-6

A5判/192頁

\2,000+税



クスリはどのように服用したら効果的か,医薬品どうし以外に組み合わせていけないクスリがあるのか, いかにしたら効果的な効能が期待できるかなど,“医薬品の応用”についてまとめ, 医療用医薬品,漢方薬,医薬部外品,保健機能性食品といった用語の意味を解説し, セルフ・メディケーションを可能とする知識を提供している.
目次
第1章 医薬品と漢方・食の考え方(渡辺泰雄)
−−ヒトの体にとっての“クスリ”ってナニ−−
1.1 はじめに
1.2 医薬品・医薬部外品とは?
 1.2.1 医薬品の位置付け
 1.2.2 医薬部外品の定義
1.3 漢方
 1.3.1 漢方薬とは
 1.3.2 漢方薬の服用
1.4 食品
 1.4.1 食品と医療
 1.4.2 保健機能性食品とは?
 1.4.3 特定保健食品の申請と定義
1.5 まとめ

第2章 医薬品の吸収・分布・代謝・排泄(山田静雄、内田信也)
−−ヒトの体に“吸収”され、“代謝”されるってナニ?−−
2.1 はじめに−−クスリのたどる道のり
2.2 クスリは体の中に入らなくてはならない(吸収)
 2.2.1 体内に入るとは
 2.2.2 投与の方法と吸収
  (1) 注射薬
  (2) 経口薬(経口投与)
  (3) 座薬(直腸内投与)
  (4) 軟膏薬・湿布薬・貼付剤
  (5) 吸入薬
  (6) 点眼薬
  (7) 点鼻薬・点耳薬
 2.2.3 吸収に影響する要因
 2.2.4  服用の仕方と吸収
  (1) 食後
  (2) 食前
  (3) 食間
  (4) その他
2.3 クスリは作用部位に行かなくてはならない(分布)
 2.3.1 目的の部位に到達できるのはタンパクと結合していないもの
 2.3.2 薬効を発揮させる部位への移行を調節する薬物送達法
 2.3.3 癌細胞へのターゲッティング
 2.3.4 体の中の関所:血液脳関門と血液胎盤関門
2.4 クスリは体の中で分解される(代謝)
 2.4.1 クスリを無毒化するプロセス「代謝」
 2.4.2 代謝の個人差と人種差
 2.4.3 誘導と阻害
 2.4.4 腸肝循環と代謝
 2.4.5 プロドラッグ
2.5 クスリは体の外に出される(排泄)
 2.5.1 尿中排泄
 2.5.2 年齢と排泄
2.6 クスリの人口調査:薬物動態
 2.6.1 薬物動態とは
 2.6.2 血中濃度の有効域と副作用域
 2.6.3 薬物動態の性質をあらわすパラメーター
 2.6.4 血中濃度を決める要因

章3章 医薬品・漢方薬・食品と健康危害(梅垣敬三)
−−ヒトの体にとって“安全性”ってナニ?−−
3.1 はじめに
 3.1.1 安全とは
 3.1.2 投与量と作用の関係
 3.1.3 毒性試験とその内容
 3.1.4 臨床試験
3.2 医薬品が関係した健康危害
 3.2.1 サリドマイド事件
 3.2.2 スモン事件 
 3.2.3 薬害エイズ事件
 3.2.4 クロロキンの事例
 3.2.5 ソリブジンの事例
3.3 漢方薬が関係した健康危害
 3.3.1 アリストロキア酸による腎障害について
 3.3.2 小柴胡湯による間質性肺炎について
 3.3.3 生薬製剤による副作用
3.4 食品が関係した健康危害
 3.4.1 品質に関連した事例
 3.4.2 違法に医薬品が混入された事例
 3.4.3 医薬品との相互作用を起こす食品の事例

第4章 医薬品の相互作用(篠塚和正)
−−“クスリ”になるものの取り合わせってナニ?−−
4.1 はじめに
4.2 併用の目的
 4.2.1 主作用の増強
 4.2.2 副作用の軽減
4.3 薬物相互作用の種類
 4.3.1 協力作用(synergism)
 4.3.2 拮抗作用(antagonism)
4.4 薬物相互作用の機序と起こる部位
 4.4.1 物理化学的相互作用 
 4.4.2 薬物動態学的相互作用
 4.4.3 薬理学的相互作用
4.5 薬物相互作用の各論
 4.5.1 吸収における相互作用
 4.5.2 分布における相互作用
 4.5.3 代謝における相互作用
 4.5.4 排泄における相互作用
 4.5.5 薬理学的相互作用
4.6 化学療法薬の相互作用
 4.6.1 薬効の強化
 4.6.2 抗菌スペクトルの拡大
 4.6.3 副作用の軽減
4.7 薬物食物相互作用の実例
 4.7.1 飲酒(アルコール)と薬物の相互作用
 4.7.2 吸収過程での食物と薬物の相互作用
 4.7.3 代謝過程での食物と薬物の相互作用
 4.7.4 薬理的作用を有する食物成分とクスリの相互作用
 4.7.5 食物と薬物
4.8 おわりに

第5章 医薬品に限らないクスリと医療(小澁陽司)
−−入院患者が本当に必要な“クスリ”ってナニ?−−
5.1 はじめに
5.2 治療としての食事と機能性食品
 5.2.1 食事
 5.2.2 機能性食品
5.3 治療としての癒し
 5.3.1 芸術
 5.3.2 動物

第6章 医薬品の基本的知識(堀祐輔、大柴吉文)
−−意外に知らない“クスリの話”ってナニ?−−
6.1 はじめに
 6.1.1 似ているけど違うもの
  (1) 医薬品
  (2) 医薬部外品
  (3) 化粧品
  (4) ダイエット食品や健康食品
 6.1.2 医薬品開発の流れ
  (1) 基礎研究 
  (2) 非臨床試験……動物実験(3〜5年)
  (3) 臨床試験……治験 (5〜7年)
 6.1.3 クスリの効き方
 6.1.4 クスリは安全
6.2 飲み合わせ
 6.2.1 薬同志の飲み合わせ
 6.2.2 アルコールや食品との飲み合わせ
  (1) アルコール
  (2) 食品 
 6.2.3 クスリの服用と妊娠初期から出産までの注意

第7章 医薬品常識テスト(大柴吉文、堀祐輔、渡辺泰雄)
−−“クスリ”の正しい知識と扱い方ってナニ?−−
Q.01 錠剤は、かみ砕いて飲むと早く効く?
Q.02 水のかわりにコーヒーやジュースで薬を飲んでもいい?
Q.03 牛乳と一緒に飲むと良くない薬がある?
Q.04 錠剤やカプセルなら水なしで飲んでもかまわない?
Q.05 クスリは寝たままより起きて飲んだほうがいい?
Q.06 タバコは薬の効き目に影響する?
Q.07 かぶれで軟膏を使うときには、よくすりこむと良い?
Q.08 軟膏剤は保護作用があるので、日焼けはしにくくなる?
Q.09 ステロイドは強すぎるので、病院からもらっても使わない方が良いときがある。
Q.10 「食間」服用とは、食事の途中でクスリを飲むこと?
Q.11 多少古いものでも未開封のクスリなら大丈夫?
Q.12 漢方薬は、食前に飲むのが基本である?
Q.13 漢方薬には副作用がない?
Q.14 葛根湯は、寝る前に飲まないほうがいい?
Q.15 同じ病気なら、家族で同じ薬を飲んでもさしつかえない?
Q.16 漢方薬は体にやさしいので、併用しても問題ない?
Q.17 漢方薬は発現が遅いので1ヵ月は服用しないと本当の効果はわからない?
Q.18 風邪の時は、水分や栄養補給のためにスポーツドリンクや、ジュースをなるべく多くとる?
Q.19 医者に診てもらう時間がないので、とりあえず市販薬を多めに飲んで治そうと思う。
Q.20 解熱性鎮痛薬は腹痛にも鎮痛効果はある?
Q.21 医療機関の料金はいつでもどこでも同じなのだから、気軽に救急車で病院に行くのが得だ?
Q.22 睡眠導入剤は服用方法を間違えたり、多く飲み過ぎると記憶がなくなることがある?
Q.23 ドリンク剤は、用法では通常1日1本となっているが、効果を出すために朝と夕に1本ずつ飲む。
   また、毎日続けて飲んだ方が効果的だ?
Q.24 男性でも、服用する薬によっては胎児に影響が出ることがある?
Q.25 妊婦はカルシウムが不足がちなので、薬で補充しても良い?
Q.26 家で血圧を測定するときより、病院で測定するときの方が高く出るため、
   その高い値を基準に薬を処方されると薬が強過ぎると思うので、少なくして飲んでいる?
Q.27 赤ちゃんに薬を飲ませる方法がある?
Q.28 抗アレルギー薬は胃潰瘍にも効く
Q.29 抗生物質と健胃薬と一緒に服用しても良い?
Q.30 予防接種を受けた日に入浴を控えることは注射口や接種された傷口から感染するためである?
Q.31 頭痛が解熱性鎮痛薬で治まっても問題がある?
Q.32 栄養機能性食品と医薬品の併用には特に問題はない?
Q.33 夏の暑い時のスポーツでの飲料はスポーツドリンクが最適である?
Q.34 トローチは噛み砕くのは良くない?
Q.35 ステロイド剤は副作用が強いので絶対に拒否すべきである?
Q.36 食後の服用を忘れた時に次回の食後にまとめて服用するのは良くない?
Q.37 予防接種を何回も受けることは、結局は医師への支払を多くするためである?
Q.38 座薬の解熱性鎮痛薬を熱が上がるたびに何度も適用するのは良くない?
Q.39 生後半年以内のあかちゃんの発熱は、微熱でも早めに座薬で熱を下げるべきである?
Q.40 解熱性鎮痛薬と抗生物質の組み合わせは注意すべきである?
Q.41 クスリは苦ければオブラートやカプセルに包んでしまうと飲みやすく効果的である?
Q.42 タバコの喫煙や副流煙が癌になるのはニコチンが原因である?
Q.43 消化性健胃薬の一つであるヒスタミン2型拮抗薬(H2ブロッカー)とアルコールの併用は、
   その効果をなくさせる?