ほんとの植物観察1

ヒマワリは日に回らない
表紙
室井 綽著
清水美重子著

ISBN4-8052-0712-4

B5判/168頁

\1,800+税



概要

アジサイ,アサガオなど身近な植物について,それぞれ数枚のスケッチを載せ, その中から「うそ」と「ほんと」のものを見分けることによって, 草花や樹木にもっと親しんでもらおうというユニークなもの. 何十年も観察を続けてきた著者が全力を注いだ挿画は極めて精緻. 20年にわたり親しまれてきた小社のロングセラーに,植物にまつわる最近の話題を加えた新装改訂版. 「緑・花文化の知識認定試験」(財団法人公園緑地管理財団主催)の準備に最適.

目次

まえがき

 《花》

みんなアサガオです
アジサイは萼のきれいな装飾花です
チョウチョ チョウチョ 菜の葉に止まれ!
イの花の上に座った気分はいかが?
オオイヌノフグリの花冠は触れると落ちます
オオムラサキは夏葉の枝の先端に花をつけます
ガクアジサイの装飾花は反転します
クルミの雌花と雄花は同じ時期に咲きません
サザンカは子房や若枝が毛むくじゃらです
サルスベリは長短のおしべで確実に受粉します
セッコクは二年生の茎に花をつけます
ゼニアオイの蕾は勝手気ままに巻いています
チューリップは花被を伸ばしながら開閉します
ネコヤナギの花は反向日性です
ハイビスカスの花は右巻きか左巻きです
ハクモクレンの花被は三輪上に九枚あります
ハナイカダの花軸は葉脈にくっついています
ハナミズキは苞葉が見せるメガネ花!
ハルジオンの蕾は下を向いています
ヒオウギの花被片は六枚とも同形同大です
ヒガンバナの花は葉を知りません
ヒマワリは一か所から順次開花していきます
ヘビイチゴの花は三節目からつきます
ムラサキシキブとコムラサキでは花軸のつき方が違います
モクセイには花びらがありません
モモは一節に二個の花蕾と一個の葉芽をつけます

 《実》

爪でカボチャの苗が育ちます
グミは今年出た枝の基部に実をつけます
ナンキンマメには地上花と地中花があります
マテバシイの実は二年かかって熟します

 《茎》

オリヅルランの斑の様式は茎を見ればわかります
キュウリの蔓は支柱に巻きつくと、中央では逆に巻きます
切り株の年輪を見ただけでは方角は決められません
キンメイチクは芽溝部がすべて緑色です
クロモは種のほかに休眠芽でも越冬します
シダレヤナギは光を求めて長く伸びます
シバは茎をジグザグに伸ばします
ジャガイモは芋の先端部の方から芽を出します
筍の皮は左右交互についています
ツタの茎は長・中・短を繰り返して伸びていきます
ツバキの花蕾は冬芽の基部につきます
ツルニンジンの蔓は左右自在に巻いています
ノブドウの茎は仮軸分枝をします
ハコベの毛は茎の内側に生えます
ハスの花と太った蓮根は同居しません
フジの茎は右巻きです
ブドウの蔓や花序は頂生します
ミズゴケは枝で水を吸い上げます
モウソウチクは節をなでれば目を閉じていてもわかります
モミジバフウは横枝の上面に翼をつけます
ヤエムグラは節ごとに二本の枝を伸ばして花序をつけます
ヤマノイモは茎が下垂するとむかごをつけます

 《葉》

アザレアのよい苗は葉が平等に出ています
イチョウは後から出る葉ほど葉柄が長くなります
イノモトソウの胞子葉は背高のっぽです
インゲンマメの葉は対生から互生に変わります
インゲンマメは葉を閉じたり開いたりします
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿?
オミナエシの下葉はいろいろな形をしています
カイヅカの葉には針葉と鱗片葉とがあります
カロリナポプラの葉はかすかな風にも神経質に反応します
クヌギは冬でも枯れ葉をつけたままです
ケンポナシの葉はコクサギ型葉序です
コダカラベンケイは傷つくほど子苗が育ちます
ゴマの葉は花がつくと対生から互生に変わります
コムギの葉はねじれて裏面が上を向きます
サクラの種類は葉の形と蜜腺の位置で区別できます
シダレヤナギの葉は半回転しています
セントポーリアの葉挿しは中ほどの葉が最良です
ツタの葉はすべて複葉です
ナギは裸子植物なのに広葉樹です
バラの花の真下の葉は三小葉です
ヒイラギの鋭い葉で鬼も逃げます
ヒマワリは日に回りません
ホオズキは対生する葉が不釣り合いです

 《根》

オオバコには主根がありません
オモトの根と葉は瓜二つです
サツマイモの新芽は茎に近い所から出ます
タンポポはゴボウ根を長く伸ばしています

 さくいん