防蝕技術

第2版
腐食の基礎と防食の実際
表紙
北村 義治著
鈴木 紹夫著

ISBN4-8052-0710-8

A5判/240頁

\3,800+税



概要

防食技術はあらゆる産業に関わる共通の基礎的工学技術として重要である.本書は実務を通して体得した実践的防食技術をとりまとめ,業務手順に即して整理し解説した.技術的進歩が著しい第10章のデータベースの項を全面的に書き改め,第9章の有機材料,FRPに関する事例を追加して「第2版」とした.

目次

序

1. 腐食の機構
 1.1 局部電池モデルによる腐食の理解
 1.2 腐食反応の熱力学
  1.2.1 平衡電位(酸化還元電位)
  1.2.2 交換電流密度
 1.3 速度論的考察
  1.3.1 分極と活性化過電圧
  1.3.2 濃度過電圧
  1.3.3 抵抗過電圧
 1.4 腐食系――複合電極反応――
  1.4.1 活性化支配の腐食とその速度の求め方
  1.4.2 拡散支配の腐食とその速度の求め方
  1.4.3 腐食のカソード反応
  1.4.4 直線分極法
 1.5 電位‐pH 図
 1.6 不動態
  1.6.1 不動態化
  1.6.2 不動態皮膜の破壊

2. 腐食の現象と形態
 2.1 金属材料の腐食
  2.1.1 全面腐食
  2.1.2 異種金属接触腐食
  2.1.3 孔食
  2.1.4 すきま腐食
  2.1.5 応力腐食割れ
  2.1.6 腐食疲労
  2.1.7 粒界腐食
  2.1.8 脱成分腐食
  2.1.9 エロージョンコロージョン
  2.1.10 水素脆化
  2.1.11 微生物腐食
  2.1.12 高温腐食
 2.2 有機材料の腐食、劣化
  2.2.1 劣化機構
  2.2.2 劣化現象
 2.3 無機材料の腐食、劣化
  2.3.1 溶解
  2.3.2 剥落
  2.3.3 軟化、溶解

3. 耐食材料
 3.1 金属材料
  3.1.1 炭素鋼および低合金鋼
  3.1.2 鋳鉄および合金鋳鉄
  3.1.3 ステンレス鋼
  3.1.4 ニッケルおよびニッケル合金
  3.1.5 銅および銅合金
  3.1.6 アルミニウムおよびアルミニウム合金
  3.1.7 鉛および鉛合金
  3.1.8 チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブ
 3.2 有機材料
  3.2.1 熱可塑性樹脂
  3.2.2 熱硬化性樹脂
  3.2.3 弾性体
  3.2.4 塗料
 3.3 無機材料
  3.3.1 セメント
  3.3.2 ガラス
  3.3.3 ほうろう・ガラスライニング
  3.3.4 陶磁器、セラミックス
  3.3.5 耐火物
  3.3.6 炭素材料

4. 環境の腐食作用
 4.1 酸水溶液
  4.1.1 硫酸
  4.1.2 塩酸
  4.1.3 硝酸
  4.1.4 その他の無機酸
  4.1.5 有機酸
 4.2 アルカリ水溶液
  4.2.1 か性ソーダ
  4.2.2 その他の水酸化アルカリ
  4.2.3 アルカリ土金属水酸化物
  4.2.4 アンモニア
 4.3 塩類の水溶液
  4.3.1 pH を変化させる塩
  4.3.2 酸化性塩
  4.3.3 ハロゲン塩
  4.3.4 錯化剤
 4.4 溶剤
 4.5 自然環境
  4.5.1 淡水
  4.5.2 海水
  4.5.3 大気
  4.5.4 土壌
 4.6 高温環境

5. 適正材料の選定
 5.1 材料選定の手順
  5.1.1 装置の目的および機能の確認
  5.1.2 環境因子の明確化
  5.1.3 既存データによる第1次選定
  5.1.4 材料選定試験による最終選定
  5.1.5 経済性評価
 5.2 材料選定試験
  5.2.1 重量変化測定法
  5.2.2 特殊腐食試験
 5.3 非金属材料の腐食、劣化試験
  5.3.1 有機材料
  5.3.2 無機材料
 5.4 電気化学試験
  5.4.1 測定原理および測定装置
  5.4.2 電解槽
  5.4.3 測定手順
  5.4.4 分解測定結果と計算法
  5.4.5 測定例と解釈
 5.5 実地耐食試験
  5.5.1 実地浸漬試験
  5.5.2 現場における電気化学試験
  5.5.3 実装置の腐食状況追跡
 5.6 材料選定基準
  5.6.1 金属材料の選定基準
  5.6.2 非金属材料の選定基準

6. 防食方法
 6.1 環境遮断
  6.1.1 有機ライニング、コーティング
  6.1.2 塗装
  6.1.3 無機ライニング、コーティング
  6.1.4 耐食金属による被覆
 6.2 電気防食
  6.2.1 カソード防食
  6.2.2 アノード防食
 6.3 インヒビター
  6.3.1 吸着型インヒビター
  6.3.2 皮膜型インヒビター
  6.3.3 不動態化型インヒビター
 6.4 環境の制御
  6.4.1 化学的条件の変更
  6.4.2 物理的条件の変更

7. 防食設計
 7.1 防食を考慮した装置の設計
  7.1.1 防食を考慮した構造設計
  7.1.2 防食方法の設計
 7.2 防食を考慮した機器製作
  7.2.1 材料の受入れ管理
  7.2.2 防食に配慮した機器製作
  7.2.3 運搬、据付け、配管
  7.2.4 保温保冷
  7.2.5 試運転

8. 防食管理
 8.1 装置の腐食状況の管理
  8.1.1 装置本体の表面観察および実地耐食試験
  8.1.2 非破壊検査による腐食診断
  8.1.3 腐食モニタリング
 8.2 腐食に影響する環境因子の管理
 8.3 防食方法の管理
 8.4 運転停止中および洗浄時の防食管理
 8.5 寿命予測
  8.5.1 確率論的アプローチ
  8.5.2 極値統計論の応用

9. 腐食事例
 9.1 腐食事例解析
  9.1.1 事例解析の目的
  9.1.2 事例解析手順
  9.1.3 対策と検証
  9.1.4 経済性評価
 9.2 腐食事例の実際
  9.2.1 ステンレス鋼
  9.2.2 チタン
  9.2.3 銅およびニッケル‐銅合金
  9.2.4 炭素鋼および低合金鋼
  9.2.5 有機材料

10. 腐食データベース
 10.1 マルチメディア時代のデータベース
 10.2 システム構成
  10.2.1 データの収録、発信
  10.2.2 データ検索
  10.2.3 通信回線
  10.2.4 収録データおよび情報

 索引