<新版 顕微鏡観察シリーズ 2>

植物の顕微鏡観察

表紙
井上 勤監修

ISBN4-8052-0599-7

A5判/260頁

\3,000+税



概要

 このシリーズは顕微鏡を通して見た“ミクロの世界”への手引書である.  顕微鏡観察の対象となる実験材料は,いつどこで,どうやって採集したらよいか,実験材料はどうすれば飼育・培養できるか,美しく見やすいプレパラートを作るためにはどんな器機器具を用いたらよいか,失敗しない固定・染色の方法は?,写真やスケッチなど観察の記録はどのようにとるのがよいのか.....
 顕微鏡を使っている人たちが,疑問に思ったり,知りたがったりしている観察上のコツを,ベテランの教育者たちがわかりやすく解説した.

主な内容:植物プランクトンの採集・培養・観察法/胞子や花粉,葉などの外部形態の観察/花・葉・茎・根の内部組織の観察/染色体の観察と研究/酵母・カビ・肉食菌類の培養と観察/クローン植物作成法/植物細胞・組織培養法/細胞融合法/顕微鏡観察に役立つホームページ

目次

 まえがき

第1章 顕微鏡でどんな研究ができるか
 1.地球環境を変えた植物
 2.注目されている研究課題
  花粉が歴史を変えた
  植物プランクトンは環境変化を示すバロメーター
  バイオでクローン植物を大量生産
  遺伝子を導入された植物
 3.観察・研究の年間プログラム
 4.植物の学名と分類
  和名と学名
  種を中心とした植物の分類

第2章 植物プランクトンの観察と研究
 1.プランクトン観察と研究の大切さ
 2.プランクトンの採集法
  学校や公園の池での採集
  湖沼や池沼での採集
  海での採集
  採集試料の整理
 3.プランクトンの培養法
  培養液(培地)の作り方
  予備培養
  分離法
  本培養と培養株の維持
 4.プレパラートの作り方
  動き回るものや,つぶれやすいプランクトンを観察する工夫
  ケイ藻類の観察方法
 5.プランクトンの見分け方
  細胞(葉緑体)の色を見る
  動き回るかどうか
 6.淡水の植物プランクトン
  ラン藻類
  緑藻類
  ミドリムシ類
  ケイ藻類
  その他の淡水植物プランクトン
 7.海の植物プランクトン
  ケイ藻類
  べん毛藻類
 8.特殊な環境に生育するプランクトン
 9.指標生物としての植物プランクトン
 10.走査電子顕微鏡(SEM)による植物プランクトン観察

第3章 植物の外部形態の観察
 1.胞子の観察をしてみよう
  シダ植物の生活環と胞子
  シダ類の胞子を観察しよう
  シダ類の胞子の培養と観察
 2.花粉を観察してみよう
  花粉と胞子
  花粉の観察
 3.葉の外部形態を観察してみよう
  簡単な構造の葉の観察
  葉の表皮と気孔の観察6
  倍数性と孔辺細胞の大きさ
  毛の観察
  原形質流動の観察

第4章 植物の内部形態の観察
 1.植物のからだの成り立ち
 2.切片を作ってプレパラートを作ってみよう
  プレパラートを作ってみよう
  押しつぶし標本の永久プレパラートの作り方
 3.花や葉の内部組織を観察してみよう
  花の観察
  葉の観察
  茎の観察
  根の観察

第5章 染色体の観察と研究
 1.染色体は遺伝子の集まったもの
  染色体とは何か
  核分裂6染色体の数と形
 2.染色体を観察してみよう
  体細胞分裂時の染色体の観察
  体細胞染色体の数や形の観察
  減数分裂時の染色体の観察

第6章 身近な微生物の培養と観察
 1.身の周りにいる微生物
  酵母
  カビの仲間
  細菌類(バクテリア)
 2.微生物の培養と観察をしてみよう
  微生物の入手法
  純粋培養
  肉食菌類の観察
  肉食菌類の種を同定してみよう

第7章 バイオ研究に挑戦しよう 〜植物の組織培養・細胞融合〜
 1.組織培養をすることの意味
 2.クローン植物を作ってみよう
  クローン植物とその応用
  ラン(シンビジウム)の大量培養
 3.植物細胞・組織培養法
  培養のための設備や備品
  培養のための培地
  植物ホルモンの作用について
  植物組織培養の材料
  植物組織培養の方法
 4.細胞融合法
  細胞融合とは
  雑種の選抜法
  プロトプラストの分離
  プロトプラスト分離酵素
  プロトプラストの融合4プロトプラストの分離と融合の観察
 5.遺伝子挿入法
  遺伝子組換え技術とは
  遺伝子組換え技術で重要なもの

付録 細胞観察の新しい手法
 1.蛍光顕微鏡
 2.共焦点レーザー顕微鏡
 3.顕微鏡ビデオ

顕微鏡観察に役立つホームページ
あとがき
索引
監修者・執筆者一覧