<鉄鋼技術の流れ 8>

フェライト系耐熱鋼

世界一へのたゆまざる研究と開発
表紙
太田定雄著
日本鉄鋼協会監修

ISBN4-8052-0577-6

A5判/288頁

\4,200+税



概要

戦後の復興期,高度成長,石油危機,環境問題など,時代の社会的変遷を踏まえて,わが国で耐熱鋼がどのように発展してきたかを概観し,火力発電,原子力,化学工業,自動車などで重要な役割を担うフェライト系耐熱鋼の開発,発展,そしてそれらを支えた研究の流れを追い,その将来を展望した.

目次

1.耐熱鋼,耐熱材料の歴史
 1.1 ステンレス鋼,低合金耐熱鋼の出現
 1.2 航空機と超合金の発展
 1.3 宇宙開発と新素材の登場
 1.4 産業用の耐熱鋼の展開

2.わが国における耐熱鋼の研究開発の流れ
 2.1 戦前,戦中の耐熱鋼
 2.2 戦後の耐熱鋼の発展

3.TAF鋼の開発
 3.1 わが国のガスタービン材料の開発
 3.2 ガスタービン翼車,ディスク用材料
 3.3 TAF鋼の開発

4.火力発電用材料の発展
 4.1 戦後の火力発電の発展
 4.2 ボイラ鋼管材料の開発
 4.3 タービン材料の開発
 4.4 火力発電用耐熱材料などの長時間クリープ・データの整備
 4.5 腐食,疲労,経年変化および余寿命推定に関する研究

5.化学工業の発展と圧力容器材料の開発
 5.1 アンモニア合成筒材料
 5.2 石油精製用圧力容器材料
 5.3 石炭液化用新材料の開発
 5.4 石油精製用大型水添反応容器新材料

6.高速増殖炉用フェライト系耐熱鋼の開発
 6.1 わが国における高速増殖炉の開発
 6.2 燃料被覆管用材料の開発
 6.3 高温構造材料の開発
 6.4 蒸気発生器材料の開発

7.核融合炉用フェライト系耐熱鋼の開発
 7.1 核融合炉の開発
 7.2 わが国における核融合炉材料の開発計画
 7.3 オーステナイト系材料
 7.4 高強度9-12Cr系鋼の時効脆化に関する研究
 7.5 低放射化材料の開発

8.自動車排気系用フェライト系耐熱鋼の発展
 8.1 環境問題と排気系材料
 8.2 サーマルリアクタ材料の開発
 8.3 触媒コンバータ,触媒担体用材料の開発
 8.4 エキゾーストマニホールド材料の開発
 8.5 フレキシブルチューブ,フロントパイプおよびマフラ材料
 8.6 自動車排気系用フェライト系耐熱鋼の発展

9.複合発電の発展とガスタービン用材料および蒸気タービン用
  高低圧一体型ロータ材の開発
 9.1 複合発電の発展とガスタービン材料の開発計画
 9.2 わが国におけるジェット・エンジンの状況と材料開発計画
 9.3 わが国におけるガスタービン,ジェット・エンジン材料の開発
 9.4 低合金鋼および12Cr系鋼ディスク材の開発
 9.5 蒸気タービン用高低圧一体型ロータ材料の開発

10.超々臨界圧発電用フェライト系耐熱鋼の開発
 10.1 エネルギおよび環境問題
 10.2 超々臨界圧発電用材料の開発計画
 10.3 9-12Cr系鋼の高温強度に及ぼす合金元素の影響に関する基礎的研究
 10.4 9-12Cr系鋼新材料の開発
 10.5 9-12Cr系鋼の組織変化と強化機構の解明
 10.6 オーステナイト系鋼新材料の開発
 10.7 わが国の9-12Cr系鋼新材料の国際進出
 10.8 超々臨界圧発電用新材料の実用化
 10.9 蒸気温度650℃用のフェライト系耐熱鋼の開発計画

資料
 資料1 超超臨界圧プラント用高Crフェライト鋼の開発
     藤田利夫
 資料2 高温・高圧水添圧力容器用鋼材の動向
     石黒 徹
 資料3 耐熱金属材料の10万時間クリープ特性の評価と
     高温クリープ研究の新たな展開
     田中千秋・八木晃一