<鉄鋼技術の流れ 4>

制御圧延・制御冷却

圧延による材質創製の流れ
表紙
小指 軍夫著
日本鉄鋼協会監修

ISBN4-8052-0537-7

A5判/214頁

\3,200+税



概要

高張力鋼板の製造に最も普遍的に使われている制御圧延・制御冷却(TMCP)は,1960年代からわが国で高度化し,最近では直接焼入れ(DQ)技術の進展も目覚ましい.本書はTMCP,DQの最新の知識を概説し,これらの技術の展開とそれに関連する基礎的研究の進歩を,大きな流れとしてとらえた.

目次

1.序章

2.制御圧延・制御冷却と直接焼入れ技術の基礎
 2.1 制御圧延・制御冷却の基本的な考え方
 2.2 制御圧延,制御冷却技術
  2.2.1 制御圧延の実際
  2.2.2 制御冷却の実際
 2.3 オーステナイトの熱間加工と再結晶
 2.4 加工されたオーステナイトの変態
 2.5 TMCP鋼の強度と靭性
 2.6 直接焼入れ技術
  2.6.1 調質鋼の組織と機械的性質
  2.6.2 直接焼入れの効果

3.制御圧延の原型 −欧州における初期の制御圧延−
 3.1 初期に実施された制御圧延
 3.2 1960年頃までの熱間加工と材質変化に関する研究
 3.3 この時期の制御圧延技術の特徴

4.海外における制御圧延の普及と研究の進展(1960年代)
 4.1 1960年代の制御圧延技術の動き
 4.2 熱間加工による顕微鏡組織変化の動力学
 4.3 HSLA鋼の実用化と制御圧延の普及
 4.4 高張力鋼と制御圧延の研究の英国における急速な進歩
 4.5 英国以外における研究開発

5.日本における高張力鋼の開発と制御圧延技術の進展
  (戦後〜1970年代初頭)
 5.1 日本における高張力鋼開発の流れ
 5.2 日本における非調質高張力鋼の初期の開発
 5.3 日本における制御圧延技術の進展
  5.3.1 日本における制御圧延発展の動機とその流れ
  5.3.2 制御圧延技術の構築
 5.4 制御圧延の機構の研究の進展

6.制御圧延技術の高度化と世界的規模での普及(1975年〜1985年)
 6.1 1970年代前半〜1985年頃の制御圧延技術の動き
 6.2 制御圧延技術の高度化
 6.3 ホット・ストリップ・ミルによる
    HSLA鋼の製造と制御圧延技術
 6.4 変態強化鋼の導入

7.制御冷却,直接焼入れ技術の実用化
 7.1 制御冷却技術の開発とTMCPへの発展
 7.2 直接焼入れ技術の応用
 7.3 棒鋼,その他の鋼材のTMCP技術

8.制御圧延・制御冷却に関する基礎研究
 8.1 加工オーステナイトの再結晶
 8.2 加工オーステナイトの変態
 8.3 加工オーステナイトの組織変化・変態の定式化と
    数学的シミュレーション

9.終章

資料
 資料1 コントロールド・ローリングによる高張力高靭性鋼板の製造
     松原博義ほか
 資料2 制御圧延後の加速冷却の機械的性質に及ぼす影響
     大内千秋ほか