マリー・キュリー

激動の時代に生きた女性科学者の素顔
表紙
桜井 邦朋著

ISBN4-8052-0494-X

四六判/240頁

\1,800+税



概要

19世紀末から20世紀初頭という激動のヨーロッパ社会で,マリー・キュリーは女性科学者としてどんな立場にあったのか,また周囲の人々とどんな人間関係にあったのか.世界の「偉人」としての面のみ強調される「キュリー夫人」の生涯を,著者は現代に生きる一物理学者の目で冷静にたどる.

目次

 まえがき
 プロローグ

1 若き日々――もう一人のローザ
 ポーランドとロシア
 生い立ち
 ローザ・ルクセンブルク
2 パリ――過去の世紀から新しい世紀へ
 科学への憧れ
 パリ
 世紀末の思想と科学の状況
3 ピエール・キュリー
 ポーランドへ――揺れ動く心
 ピエール・キュリー
 断ち切れぬ研究への夢
4 放射能
 新しい科学への胎動
 英雄時代――マリーとピエール
 放射能の秘密を解く
5 心の深淵を覗く
 ピエールの死
 心の支えを求めて
 恋愛事件
6 第一次大戦
 ソルボンヌの日々
 X 線
 第一次大戦の中で
7 晩年の日々
 新しい物理学の中で
 放射化学の進展
 連鎖反応――イレーヌとフレデリック・ジョリオ
8 回顧と展望
 原子核から素粒子へ
 原子爆弾への道
 医学への応用を開く

 エピローグ
 あとがき
 参考文献
 人名索引