染色仕上加工技術

表紙
塩澤 和夫著

ISBN4-8052-0371-4

A5判

352頁/\4,854+税



概要

染色工業に関する専門図書は数多く出版されているが,複雑多岐にわたる専門技術を総合的に解説した書物はこれまで皆無であった.本書では,これらの欠点をできるだけ排除して,染色工業全般に関わる最新技術を,特に染色作業の実務に携わる現場の技術者の視点に立って要約した.

目次

 はじめに

1. 染色工業の現状と展望
 1.1 繊維産業における染色工業の位置
  1.1.1 製造業に占める繊維工業の比重の変遷
  1.1.2 繊維工業における構造変化
  1.1.3 染色工業の位置
 1.2 染色工業の実態
  1.2.1 分類と規模
  1.2.2 生産技術の特徴
  1.2.3 合理化水準について
  1.2.4 差別化技術の開発
 1.3 アパレル製造に必要な専門技術と染色工業
  1.3.1 アパレルの製造
  1.3.2 繊維加工工業への転換
  1.3.3 繊維加工技術の構成と動向
 1.4 技術情報について

2. 生産合理化技術の動向
 2.1 省時間化技術
  2.1.1 大型装置による高速処理
  2.1.2 ロット編成の適正化
  2.1.3 単位操作の省略ないし併合
 2.2 省力化技術
  2.2.1 自動化の推進
  2.2.2 測色管理の強化
 2.3 省エネルギー化技術
  2.3.1 染色工業における用水量
  2.3.2 処理浴比の低減
  2.3.3 乾燥方式の再吟味
  2.3.4 処理時間の短縮
  2.3.5 昇温温度幅の圧縮
  2.3.6 熱エネルギーの回収
  2.3.7 非水系加工への移行
 2.4 省資源化技術
  2.4.1 原毛からの除去成分の処置
  2.4.2 たて糸糊剤の回収・再利用

3. 準備工程にかかわる差別化技術
 3.1 準備工程の意義
 3.2 糊抜き
 3.3 精練
  3.3.1 リラックス処理
  3.3.2 精練に併用する品質管理剤
  3.3.3 絹の特殊精練
 3.4 漂白
  3.4.1 漂白技術水準について
  3.4.2 漂白方式の趨勢
  3.4.3 繊維素材別適正漂白条件
  3.4.4 脱色処法について
 3.5 アルカリ処理
  3.5.1 ホットマーセライズ
  3.5.2 ニットマーセライズ
  3.5.3 液安処理
 3.6 アルカリ減量加工
  3.6.1 アルカリ減量加工の機構
  3.6.2 処理条件と減量率
  3.6.3 加工方法
  3.6.4 反応促進剤
  3.6.5 素材と減量効果
 3.7 バイオ加工
  3.7.1 セルラーゼによる改質
  3.7.2 セルラーゼを応用した加工技術
  3.7.3 その他の酵素による改質処理
 3.8 プラズマ処理
  3.8.1 プラズマ処理技術
  3.8.2 放射線加工
 3.9 カチオン化処理
  3.9.1 合成繊維の染色性改良技術
  3.9.2 後処理による改質加工
  3.9.3 カチオン化処理
  3.9.4 カチオン化処理応用技術
 3.10 絹の改質加工
  3.10.1 絹繊維に要求される消費性能
  3.10.2 絹の化学加工の変遷
  3.10.3 グラフト加工
  3.10.4 架橋処理
  3.10.5 その他の改質加工法
  3.10.6 ウォッシャブルシルクの消費性能について
 3.11 羊毛の防縮加工
  3.11.1 羊毛の収縮機構
  3.11.2 防縮加工技術
 3.12 濃色化処理
  3.12.1 繊維の形態を改質する方法
  3.12.2 後加工による改質

4. 染色工程にかかわる差別化技術
 4.1 機能性色材
  4.1.1 形態を改修した色材
  4.1.2 環境に応じて色相変化をともなう色材
 4.2 金による染色
 4.3 セラミックス染色
  4.3.1 シリカ染め
  4.3.2 ギプス染め
 4.4 磁気染色
 4.5 マイクロ波染色
 4.6 超極細繊維の染色
  4.6.1 超極細繊維の製法
  4.6.2 染色特性

5. 捺染工程にかかわる差別化技術
 5.1 機能性糊剤の実用化
  5.1.1 合成糊剤の発展経緯
  5.1.2 合成有機系糊剤の拡大
  5.1.3 無機系糊剤の機能性化
 5.2 地張り剤組成
  5.2.1 地張り剤の分類と特徴
  5.2.2 地張り剤組成
  5.2.3 地張り剤の耐久性
 5.3 コンピュータ捺染
  5.3.1 コンピュータ捺染に至るまでの革新技術の展開
  5.3.2 インクジェットプリント技術の要点
  5.3.3 インクジェット方式による捺染
  5.3.4 今後の動向
 5.4 高温蒸熱固着
  5.4.1 固着法と発色性
  5.4.2 固着促進剤について
  5.4.3 濃染効果
  5.4.4 染色への応用
 5.5 防抜染技術
  5.5.1 抜染、防染と防抜染技術の対比
  5.5.2 抜染および防染技術の進歩
  5.5.3 防抜染技術の代表例
  5.5.4 代表的繊維に対する抜染

6. 仕上げ工程にかかわる差別化技術
 6.1 仕上げ加工における基本技術
  6.1.1 代表的工程
  6.1.2 新規に提案された技術
 6.2 樹脂加工
  6.2.1 加工剤
  6.2.2 加工方法
  6.2.3 ホルムアルデヒド捕集剤
 6.3 難燃加工
  6.3.1 難燃化機構
  6.3.2 綿に対する難燃剤
  6.3.3 その他の繊維に適用する難燃剤
  6.3.4 煙と煙抑制剤
 6.4 はっ水防水加工
 6.5 SR 加工
 6.6 しわ加工
  6.6.1 折り目としわ
  6.6.2 しわ加工の分類
  6.6.3 しわ加工装置
 6.7 導電加工
  6.7.1 導電性繊維
  6.7.2 導電加工技術の分類
  6.7.3 導電加工技術について
  6.7.4 電磁波シールド素材の動向
 6.8 消臭加工
  6.8.1 衛生加工
  6.8.2 消臭加工
 6.9 芳香加工
  6.9.1 マルトオリゴ糖による方法
  6.9.2 芳香性素材を応用する方法
  6.9.3 芳香剤を繊維に付着させる方法
 6.10 セラミックス加工
  6.10.1 セラミックスとは
  6.10.2 従来法による適用
  6.10.3 真空蒸着への発展
 6.11 ピーチ加工

7. 二次製品の染色仕上げ加工技術
 7.1 縫製品の染色
  7.1.1 染色機械
  7.1.2 生産工程の特徴
  7.1.3 今後の動向
 7.2 ストーンウォッシュ加工
  7.2.1 デニム製品洗いの方法
  7.2.2 新規処理技術
  7.2.3 ストーンレス・ストーンウォッシュ加工
 7.3 布団の洗浄加工
  7.3.1 洗浄加工用機器
  7.3.2 洗剤組成について
  7.3.3 今後の展開
 7.4 形状記憶素材の応用加工
  7.4.1 形状記憶合金
  7.4.2 形状記憶樹脂
 7.5 防虫、防カビ加工
  7.5.1 防虫、防カビ加工
  7.5.2 防虫剤の動向
  7.5.3 防カビ剤の動向

 おわりに