室井ひろしの自然百科

表紙
室井 綽著
清水 美重子著

ISBN4-8052-0222-X

四六判

224頁/\1,200+税



概要

北を日本海,南は瀬戸内海に接した兵庫県は気候,地質などいろいろな面で興味深い.過去50年間,県内をくまなく歩いた著者が,“兵庫の自然百科”と題して朝日新聞兵庫版に1年間(昭和59年)にわたって連載し,好評を得たものの中から,他の地区でも身近に観察できるものを1冊にまとめた.

目次

恵比須さんはコイ釣った=吉兆ザサ
寒地のミズナが最高=葉緑で選ぶ
七草は生活の知恵=健康食のすすめ
たかがタイ・されどタイ=タイの味
お飾りを清める神事左義長=マダケの屁
作物は努力次第で育つ=丹波のミカン
パン食の普及につれて繁殖=クレソン
防寒具をまとった花=厳冬に咲くビワ
アカ煮バス・シロ酢バス=レンコン料理
ナシのためにカイズカを切れ=緑化とナシ
鏡の中の己の姿を攻撃=ジョウビタキ
冬のウサギは白いのか?=ウサギの白化
霊験あらたかトゲ抜きの妙薬=ニシキギ
喜ばれる、口に残らぬほろ苦さ=ハッサク
植物で方角を知る=ネコヤナギのネコ
夜中でも数がよめる=ウミウの棲息地
浅草ノリはうまかった=ノリの風味
野生化で性質は一変=野良犬と飼い犬
秋田のショッツル・但馬のハタハタ
蕾を食べて憎まれる=ウソかサクラか
唐土の鳥がわたらぬさきに=ナズナと童謡
命をかけた厳冬の味覚=荒海のイワノリ
ふんわりと広がる風味の魔力=冬のバチ
規則正しく海と川上を往復=ユリカモメ
得がたい但馬産のコクと粘り=ヤマノイモ
日本一を誇れる梅林=綾部山のウメ
実は神様の失敗作=モモとウメ
ネズミに嫌われて大繁茂=六甲のアセビ
厳しい生存競争のさえずり=ヒバリ
滝のぼりは滝のはき違い=淀みを好むコイ
くちばしによる伝播はウソ=ヤドリギ
沈香と丁字の香をあわせて=ジンチョウゲ
出芽の防止にリンゴを=ジャガイモの保存
駅弁の王様=シャコの味覚
料理屋むきの香辛料=アサクラザンショウ
天然記念物と自然保護への疑問=モリアオガエルの産卵
蕾の先端は北を指す=モクレン
細葉の柳と広葉の楊と=シダレヤナギ
寛大な神仏と人間の横着心=ヒサカキ
バンブーは竹ではない=調理と竹製品
気温に応じて開閉する花=チューリップ
葉とともに食べてこそ桜餅=オオシマザクラの芳香クマリン
掘りたての一刻を争う食べ物=タケノコ
優雅に花茶を楽しむ=サクラとラン
気になる白鷺城のタンポポの行方
七重八重花は咲けども=ヤマブキ
喜びを目の細さで表わす=ウサギの笑顔
河川敷は黄金色の洪水=野性味あふれるセイヨウカラシナ
山歩きでは、トイレの前に手を洗う=こわいウルシかぶれ
花の盛りと衣類の虫干し=ヒメマルカツオブシムシ
代用品の名から生れたカシワ餅=本来は香りのサルトリイバラ
織物の町にふさわしい柄模様=シバザクラの紅葉
突然変異を楽しむ花=サツキの花色
海辺や乾燥地には棲まないのに=芭蕉の句とカタツムリ
輸入木材とともに上陸?=松くい虫の猛威
騒音をやわらげる木=クスノキ
貴族花卉から雑草へ=キショウブ
大集団飛行の復活を願う=カワゲラ
デミョウ・コサン・カラ・モソー=一番おいしいネマガリダケ
殿様が愛用した精力剤=カシュウ
ちょっと来い!ちょっと来い!=アベックを呼ぶコジュケイ
蛭田にヒルがいなくなった=アメリカザリガニの功罪
刺身は自殺行為=顎口虫とライギョ
きわめて正直な花=梅雨のアジサイ
進化を忘れた島=大和島とイブキ
六甲にあった幻の花=シチダンカ
針葉樹から広葉樹への橋渡し=世界で5本のラッパイチョウ
10時ごろが最も美しい=アサガオ
新婚さんへの贈りもの=ザクロ
死の刻をきざむものの正体=シバンムシ
海で収穫する野菜なの?=タマネギ
キリギリス釣りの思い出=トキワススキ
大先生、少女に参る=ヤマモモの雌雄
雲紋の美しい竹=タンバハンチク
いただけない代用品の茅の輪くぐり=チガヤでこそ神事
環境の変化と災害の規模=招かれざる竹林
蔕の青いものはおいしい=トマト
太宰府になびいたアシ=カタハノアシ
日にまわる!まわらない?=ヒマワリ
恋のメッセンジャー=タイサンボク
香りに細やかな愛情をみる=健康と糠漬
わかっていてもわかりにくい話=竹林と竹藪の違い
幻の淡水クラゲ=姿を消したマミズクラゲ
汚水でも活きるサカマキガイ=指標動物
「御」の字を贈られた唯一の虫ケラ=オケラ
出葉期の悪循環の影響か=ラッパイチョウ
背の曲がった魚=アマゴとハマチ
エノコログサでカエルを釣る=ヌマガエル
果物による貧血症の自己診断=おいしいプリンスメロン
理にかなった切り方=スイカと最初の一刀
保険をかけての剪定作業=ツタと甲子園
育てたい緑を守る心=街路樹と国民性
シノつく雨に思うこと=ヤダケの発祥地
盛夏の剪定で冬を飾る=緑の美しいトベラ
甘柿も80度で渋柿に=柿ぜんざい
くだもの篭のエレジー=スイカとメロン
科学する心は観察から!=子供と昆虫
植物名札には正しい名前を=ハナツクバネウツギ
ハイキュウチュウにご用心=サワガニ
磨き砂にされた六甲の凝灰岩=濁った池
米作を左右する二百十日=イネの開花
食べると馬鹿になる!=ミョウガ
キメラの説明に最高!=メグロチク
胸をときめかす美しさ=キベリハムシ
緑地化に適合した帰化昆虫=アオマツムシ
ボタンノキのいわれに思う=スズカケノキ
いまに見る太古のならわし=ゴサイバ
苦いのは優秀品のあかし=キュウリの風味
漁獲時間が味に影響=イワシの丸干し
ウシの川入れに思う=疲れたときの入浴
生物がとる生存バランスの妙=トビゲラ
香る植物の王者たち=四君子と薫浴
姿を消すばかりの大群落=オオマツヨイグサの盛衰
正月の行事と金持ち縁起=ウバメガシ
イチイとキャラボクは同一=スギの種採り
修法が原に残る民族学的意義=ヌルデの塩
美しい花には毒がある=チョウセンアサガオの根
尾花といえるのはオギの花穂=オギとススキ
低カロリーで返り咲く=キクイモ
危険な穂綿の刺毛=ガマの薬効
便秘を解消して美人に=サツマイモ
変成して寒さに強くなる=コウボウイモ
屑になった嫌われもの=森林を枯らすクズ
芳香を放つ本ものの蘭=フジバカマ
夏は避暑地へ大移動=アカトンボ
なぜか古木が神社に残存=イチイガシ
講義の話題に事欠かぬ木=イチョウ
赤穂の地名のおこり=アカタデの証言
ハトポッポは豆を食べにこない=ハト
県花にふさわしい花=美しいノジギク
青首が醸す最高の味=冬とダイコン
個のフウと群のカエデ=フウの街路樹
実はロウソクの原料=ハゼノキ
紅葉に川が燃える=モクズガニ
六甲へ続く笹原道=笹もみじ
うまいが生食は危険=おいしい寒のボラ
フィトンチッド最高の樹林=ホウキネズ
ガス漏れとまちがわれて=ハマヒサカキ
生かされていた独特の辛味=アカタデ
天然記念物にピカ一の植物=コヤスノキ
頭の疲れを癒す菊枕=ノジギクの香り
寒さでいっそうおいしく=西洋カボチャ
ほんとうは雌雄花の雑居林=ウメモドキ
祝宴を引立てるカーネーション=模様斑
古くて新しい食品=人気上昇中のクワイ
厳かさをよぶ色の対比=鏡餅とウラジロ